Column

2026/04/18 10:11

5日目・6日目。

パーツにおもりと綿を詰めて、閉じきる前に計量します。

 片手の重量は約200gから250g。 左右の差は2g、いつもこんな感じです。

 左右の重さで、自分の手の正確さがわかります。

2gの差を調整して、縫い閉じます。 形が見えてきましたよ、と心の中でお伝えしています。

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7日目。

胴に頭と手足を、専用のボードとボルトで繋ぎます。

 締め具合で首と手足の動かしやすさが変わるので、 左右を合わせながらボルトを締めます。

お客様のことを思いながら、 綿とおもりと気持ちも一緒に詰めます。 

背中は少し開けておきます。

これで、座ることができました。

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8日目。

耳の位置を決めて、仮止めします。 

完成した表情を思い浮かべながら、目の位置を決めます。

 定規で測るわけではなく、 じっと見ているうちに、ここだという場所が見えてくる。

 目打ちで穴を開けるとき、毎回痛いっと目を細めてしまいます。

長い針に糸を通し、首の後ろから目の位置へ糸を出す。

 グラスアイのワイヤーに糸を通して、また首の後ろへ引き戻す。

 にっこり優しい目を意識しながら、ベストの引き具合で留めます。 

とても緊張する工程です。

ふーっ。 ひと区切りごとに、息をつきます。 

すぐ次へ進みたくなる気持ちを抑えて、 緊張とわくわくを抱えたまま、 丁寧に進めるほど、思い通りの表情が生まれる。

その日はここで終わりにします。

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9日目。

鼻の刺繍がしたくて、わくわくしている状態で朝を迎えます。

 さぁいよいよだわ、と。

刺繍糸にワックスを塗って、ぷっくりと揃ったお鼻を作ります。

 針の通り道を意識して、ひと目ひと目刺していきます。

 糸をグーッとゆっくり引くと、 隣同士がピタッとくっついて、鼻の形が整っていきます。 

近づいてよく見ると、縦横きっちり糸が並んでいます。 

半日以上かけて縫い上げます。

 糸を切った途端、ふぅ〜〜っと大きく息を吐きます。

鼻の頭ができたら、鼻下の長さを決めます。 

少し眺めて、また表情の予習をする時間。

 への字の長さと角度で、おとなしい雰囲気にも元気な雰囲気にもなる。 

Hug Beallyの表情は、少しおとなしめな、 甘えんぼにも見えるやさしい雰囲気に。

できた、さらに大きく息を吐きます。

 かわいいお鼻ができました。

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10日目。

一晩離れることで、新鮮な気持ちでベアの表情と向き合います。

 納得できなかったら、やり直します。

表情が馴染んできたり、ほっぺがふっくらしたり、本当に不思議です。

 いいね、かわいいね、とお話ししています。

目や鼻の周りのモヘアを細かくカットして表情を整えます。

 目の輝きを遮らないように、モヘアの1本1本まで。 

モヘア全体をブラシで整えて、 体重を最終確認して、背中を閉じる。

最後の糸切りの時は、 安堵の想いと、お待たせしました、という気持ちで。

完成です。

Hug Beally