Column
2026/04/18 10:11
1日目。
テーブルいっぱいにモヘアを広げて、 19枚分のパターンを写します。
毛流れを確認しながら。 撫でたとき気持ちよく、表情が美しく出るように。
次は、生地を切ります。
ハサミを持つ手は一定の位置で、モヘアを動かしながら。
細かく、細かく、ハサミを入れます。 モヘアの毛足を傷めないよう、土台の織り地だけに。
それだけで、1日が終わります。
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2日目。
2枚ひと組を合わせて縫っていく。
19枚が8つのパーツになって、 足、手、少しずつ形になっていく。
心の中でお客様に報告しています。 順調ですよ、と。
足裏の刺繍。 カタカタダダダと、名前を刺繍するのを目を離さずに見ています。
じっと針の動きを見ているうちに、 名前も生年月日も、自然と覚えてしまいます。
ベアに名前がつく、始まりの瞬間です。
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3日目。
縫い目に埋もれたモヘアを、専用のブラシや目打ちで引き出していきます。
縫い目が隠れて、一体感が生まれます。
おもりの作業に移ります。 体重に合わせて、おもりの重さを決めます。
頭、手、足、胴——それぞれにバランスよく分配して。 おもりを入れる袋を縫います。
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4日目。
おもり袋に、おもりを詰めます。
おもりを詰めた袋を、綿に包まれるようにさらにひと回り大きい袋に入れます。
抱いたとき、重さだけが伝わるように。
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つづきは「制作の10日間 後編」で。
